”贅沢は満足”
何となく呟きたくなるとてもヨーロピアンな響き。
実は英国の老舗紳士靴メーカーだ。
靴好きの人、ファッション通の方々で知らない人はあまりいないかもしれない。
このメーカーはイギリスのノーザンプトンで誕生したといわれている。
ノーザンプトンと言えば英国を代表する高級紳士靴メーカーの激戦区とも言える名所。
ジョン・ロブ、チャーチ、クロケット&ジョーンズ、トリッカーズ、エドワード・グリーン等・・・
特にトリッカーズはBEAMSなどの大手セレクトショップ等でも比較的取り扱いのある靴である。
私もトリッカーズを1足所有している。
私のトリッカーズはもうアウトソールが大きく削れてそろそろ修理に出さねばならない有様だ。
トリッカーズはとても丈夫なのだ。
硬くしなやかでいて靴クリームがのりやすい。
私達が幼い頃、6年間ランドセルを放り投げてきた様に、雑に扱われても何て事ないくらいに丈夫なのだ。
高級紳士靴に相応しい上質な革を使用しており、同じような扱いをすればスグダメになってしまう。
どこか時代に取り残されんばかりと、伝統を大事にする老舗メーカーの中でも企業としての強い誇り感じるのだ。
それは今でも新しく開発され続けている木型の豊富さからなるのだろうか。
おかで世界で最も多くの木型を持つと言われている。
そのため、外国の紳士靴が足に合わない人でもクロケット&ジョーンズの一部の木型を使った靴ならば…という人も多いのだとか。
靴メーカーの実力の高さ、企業として最先端を目指すその柔軟性からあらゆるブランドのOEM生産も手掛けている。
有名どころでは『Paul smith』である。
また、映画『007 - スカイフォール』、『007 - スペクター』にて主役の”ジェームズ・ボンド”(ダニエル・クレイグ)が着用していることでもメディアで取り上げられ注目された。
ちなみに私が所有しているの物はまだ2足。
革靴の定番であるプレーントゥの「モールトン」と007モデルの「キャンベリー」である。
二足ともスニーカーに合わせてローテーションを組んで履いている。
そしてビジネスで外回りの時、ブラブラとゲームソフトを買いに行く時にも履いている。
日頃のケアはアメリカのワークブーツブランド『RED WING』の馬毛ブラシで強めのブラッシングのみ。
太陽に照らされ黒く誇らしげに輝くその姿に、私の気持ちも太陽の様に晴れるのだ。
決して安い買い物ではない。
クロケット&ジョーンズの靴を1足買うならば、もう少し頑張ってトリッカーズ2足買った方が”コスパ”が良いだとか、
リーガルシューズをクロケット&ジョーンズのの値段分買った方がマシなんて意見も聞いたことがある。
私は知って欲しい。
一度でも汗水垂らして働いたお金で手に入れた贅沢は自分だけの満足になる。
消費もできず、考え方も合理的な若者達にこそ知って欲しいのだ。
これからもずっと。